日本にはまだまだ、訪れていない場所や知らない文化があるのだと知った旅でした。
旅といっても出張ですが。
メインの目的地は那賀町の木頭という場所。合併前は木頭村という名前がありました。
人口が1000人ほどの地域なのに、文化会館があって図書館がある。そして毎日10人=人口の10%が訪れる。
それってすごいことです。
林業で栄えた資産を教育に向けたとのこと。静かで穏やかな山間地に文化の香りがすれば、それはもう心地よい空間です。 そんなバックグラウンドにクリエイティブな人々が集まってきて、自分でTシャツをデザインしてしまうカフェスタンドや未来コンビニ、ノルウェーの方がマネジメントするゲストハウスと素敵な場所も次々と出来てきています。
移住者や外からの動きだけでなく、地元の土木事業者さんの次男の方が開いた株式会社wood headでは、五稜箸など木材を使ったグッズ開発をしたり、図書館を運営されたりしています。社長さんはシャイな方で、なぜか開業のいきさつは冗談でスルーされてしまったので、次回の楽しみが増えました。
木頭に行くんですが、と徳島大使のような知り合いにお聞きしたところ、上勝と神山を見るように命じられました。
上勝町といえば、葉っぱのツマモノで有名になり、アートプロジェクトもあったり。神山町はベンチャーの支社ができたり、と話題です。
しかし、今回は時間の関係で涙を呑んで一か所をチョイスせねば。同行した研究者の神野さんのチョイスで農家民宿を選びました。結果、この民宿がとてもよかったので、自分ひとりだったら神山を選んでいた気がしてうれしい誤算です。
上勝町の今は、ゼロウエイストという、リサイクルの仕組みができていることで有名。かわいらしい新卒就職のももなさんにお話を伺いました。
猫もしゃくしもSDGsの今、ももなさんは全国の講演にひっぱりだこのようです。大阪でも会う約束をしました。
そんな新しい徳島に触れるとともに、徳島の人形文化も学びました。
「人形のムラ」阿波木偶文化資料館では、木箱に入れた人形で演じる三番叟まわしや箱まわし、という門付け芸(家々を回る芸能)の歴史をお聞きしました。
当時、国家公務員と同じぐらいの収入を得ていた芸人たちはその職業や収入の特殊性によって差別されることとなり、その理由となった芸能も廃れてしまいます。 人形という固有の文化に、差別という悲しい歴史が伴いながら、その文化の復興と継承に取り組む方々の熱意に、地域文化が与えてくれる新たな価値を感じました。
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